みなさんこんにちは!
今日のテーマはこれまで多く取り上げてきたプラスチックやゴミ以外の海のお話、
くじら - WHALES
今日はめっちゃ長くなってるから、大変だと思うけど最後まで読んでくれたらすごく嬉しいです!!!
(Photo by @bayday808 via Instagram)
みなさんはくじらがどれほど大切な役割を担っているか知っていますか?🙋♀️
1. くじらは食物連鎖の頂点に立ち、海の生態系にとって必要不可欠な生き物
2. 一生涯を終えた後もその栄養素を海底の海洋生物に提供する
3. 温室効果をもたらす二酸化炭素を深海に固定することで、気候変動を抑制してくれる
つまり、鯨の数が減少するということは鯨以外の生態系に、さらには気候変動にも影響をもたらすということにもなります。
みなさんもご存知の通り、日本には「捕鯨」の歴史があり、一時期は世界中の乱獲によりは激減しました。しかし、現在では国際捕鯨委員会で決められた商業捕鯨の禁止と世界的な協力により、一部の個体群は回復の傾向にあります。
しかし2019年に日本は国際捕鯨委員会を脱退し、商業捕鯨を再開しました。2020年度の捕鯨に当てられた予算は51億円となっており、国は全面的に商業捕鯨を押し進めています。
これに対して反捕鯨国は日本の決定に批判の声を上げていて、日本国内でも商業捕鯨を再開するに当たって賛成・反対の両意見がみられました。
ここで、
「捕鯨の何が問題なの?」
「どうして世界では捕鯨が禁止されているの?」
「対して日本ではどうして捕鯨が推進されているの?」
というような疑問が思い浮かぶと思います。
今回はそのような疑問に答えていく形で、みなさんと一緒に日本の「捕鯨」について考えてみたいと思います!
(葛飾北斎 五島鯨突)
①捕鯨の何が問題なの?
日本は2020年度の商業捕鯨の捕獲枠をミンククジラ(171頭)、ニタリクジラ(187頭)、イワシクジラ(25頭)の合計383頭と発表しており、三種類のうちイワシクジラは絶滅の危機に瀕しています。日本はかつてのような鯨肉や鯨油の需要は無く、その必要性が問われています。
②どうして世界では捕鯨が禁止されているの?
2010年に公開され、オスカー賞を受賞したドキュメンタリー映画 "The Cove" は、和歌山県太地町の「イルカの追い込み漁」を取り上げており、その内容は捕鯨の残虐性を主張したものとなっています。こういった動物愛護の観点から、捕鯨に反対する意見が多くみられます。そして、そもそも日本のように鯨肉を食べるという習慣が無いため、捕鯨は必要ないと考えられています。また、鯨肉に含まれる水銀を摂取することで健康に被害を及ぼすという意見もありますが、その危険性はまだ科学的には証明されていません。
③対して日本ではどうして捕鯨が推進されているの?
日本が捕鯨を推進する理由は主に「日本は古くから捕鯨の歴史がある」・「鯨肉は日本の食文化である」があります。先ほど少し触れた和歌山県太地町は400年以上の捕鯨の歴史を持ち、現在でも鯨肉(イルカを含む)が食べられています。殺された鯨を追悼するセレモニーの毎年行われており、太地町と鯨(イルカ)の深い繋がりを感じられます。そして、私たちの親の世代は小学校の給食で鯨肉を食べたという方も少なくないかもしれません。そのように捕鯨は日本の伝統であり、そして鯨肉を食べることは日本の食文化と主張されています。
ここで一つ、日本にも合理的な理由があるのに、どうして反対の声が多いのかという点についてお話したいと思います。
それは、日本の捕鯨の歴史にあります。実は20世紀に国内の食肉の中で一番であった鯨肉の消費量は1970年代に鯨の数の激減、また消費者の環境に対する意識向上により減少しました。そして戦後まで鯨肉の消費量は少ないままだったのです。
転機が訪れたのは日本が第二次世界大戦に破れ、GHQの支配下にあった時代。それまで植民地からの食糧輸入に頼っていた日本は、その全ての食糧調達の場を失い、食糧不足の局面に立たされました。特に不足していたのはタンパク質。そこで古来より海の魚などからタンパク質を得ていた日本にとって、絶好の資源となったのは鯨肉でした。一頭当たり牛160頭分もある鯨は値段も安く、鯨肉の消費や国内で増加することとなりました。
この時初めて日本国内で鯨肉が日常的に食べられるようになりました。
しかし、高度経済成長を果たした日本はGDP世界2位となるほどお金持ちになり、人々は高価な牛肉を買えるようになります。むしろ牛肉やそのほかの肉を好むようになり、鯨肉の需要は下がっていき、今に至ることとなりました。
今お話したことが、
「鯨肉の消費は政治的手段であり、日本の食文化とは言えないのではないか。」
という日本の捕鯨に対する反対意見を生み出す理由となっています。
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ふう〜😮
もしここまで頑張って読んでくれた人がいたら、本当にありがとう!
めっちゃ長いしくて、いつもより熱入れて語ってしまった、、、😂😂😂
私と同じように日本で捕鯨が行われていることは知っていたけど、その歴史や背景は良く知らないという人が、きっといると思います。そしてもちろん私よりももっとたくさんのことを知ってるよっていう人も!
私自身、調べれば調べるほどとても面白い歴史や事実が発見でき、さらに捕鯨に興味を持ちました。でも、ここではお話できていないもう少し詳しい内容や、捕鯨を推進する理由には、政府の中に利益を得ている人たちがいるのはないかということまで、、、まだまだみなさんとお話したいことはいっぱいあります。
ぜひみなさんとこのブログの内容、そして続きを金曜日9:00p.m.からのインスタライブでお話できたらなと思います!みなさんが思ったこと、感じたことなども知れたら嬉しいです!
ここまで読んでくれて本当にありがとう。そしてお疲れ様😂
Risa
参考文献:
・日本で商業捕鯨が再開 ただし国内の鯨肉需要は減少傾向(2019年9月1日)CNN
・捕鯨予算、来年度も51億円(2019年12月12日) 日本経済新聞
・令和2年の捕鯨業の捕獲枠について(2019年12月20年)水産庁
・Arch, J. (2016). Whale meat in early postwar Japan: Natural resources and food culture. Environmental History, 21(3), 467-487. doi: 10.1093/envhis/emw004
・Mackenzie, W. (2018, September 12). 10 Good Reasons to Not Kill Whales (as If You Needed Them). Greenpeace. Retrieved from https://www.greenpeace.org/international/story/18358/10-reasons-to-not-kill-whales/
・Morikawa, J. (2009). Whaling in japan: Power, politics, and diplomacy. London: Hurst.
・Palmer, G. (2015). Whales and humans: How whaling went from being major industry to a leading environmental issue that landed Japan in the international court of justice for the first time. New Zealand Yearbook of International Law, 13, 107-127.
・Taiji holds annual memorial service for whales (2017, April 29). The Japan Times. Retrieved from https://www.japantimes.co.jp/news/2017/04/29/national/taiji-holds-annual-memorial-service-whales/#.XqJeK1MzY1I
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